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目まぐるしく移り変わってゆく、様々な日常の色を綴る。
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2009/11/25 (Wed)

253話まではサンデーは買い。
これも、決定事項。


ミコノス旅行最終日が、始まる。

ハヤテはやはり決められずにいる。
お嬢様か、アーたんか。
どちらも自分にとってかけがえのない二人だ。
どちらかなんて選べない。
そもそも選べる立場でもない。
ならば誰が選ぶのか?
自分以外に、誰がいる?

最終日ということでみんなは張り切って街へと出発。
その目的は────買い物だ!!
元気のないハヤテのテンションを上げるため、生徒会のおバカ三人組は立ち上がる。
お嬢様とマリアさんはもちろん、ヒナギクさんや西沢さんも一緒に。
海外での買い物に大した興味も示さない生徒会長様に、美希たちは言い放つ。
ムダ遣いは、楽しいに決まっている!!!

そんなこんなで金を湯水のように使いまくる三人組のお嬢様方。
それなりに楽しもうと振舞っていたハヤテの空元気さは、周りにはバレバレ。
ヒナギクさんからそれとなく聞いてみようとマリアさん。訊くのは、あのディナーでの出来事。
───何か、ありましたか?
───そんな……、なんにもなかったですよ
本当はあったのに。今も思い出すだけで気持ちが沈んでしまうくらいに、つらいことが。
でも、まだ割り切れずにいる。
彼だって16歳という年頃なんだから、好きな人はいて当然だ。
当然のはず。だけど…、だけど、私は─────

HEY! ヒナさん! 何だか暗いよー!
買い物は超テンションが上がるものなんじゃないかな!?
!? あ、歩さん? どうしたの…ってか何そのサングラス?
これ? いやぁ~いいっしょ? こんなん普段かけないからね!!
…だったら別に買わなくてもいいんじゃない? 買い物なんて後悔するだけでしょう?
ふふん、甘い。確かにテンションのまま買いすぎると失敗は多いかもしれない…
後々家に帰ってから後悔することもあるでしょう…
しかし!!
後悔とは!!
決して前にはできないのです!!

(!!)
そのあまりにも普通すぎる名言に目が覚めた人物が、数人。
そして思い立った人物が、一人。
我らが三千院家の、お嬢様。
よし! 私たちも買い物に行くぞ!!

街を歩き、店へと入り、服を見て、気に入ったものがあれば購入し、次の店へ。
店を転々とし、荷物は増えてゆく。汗だくになりながらもまた、走り出す。
お嬢様ははしゃぎながら、店に並べてある物を見て回っている。
両腕いっぱいの荷物を再び抱え直していたとき、ふとマリアさんが零した、「楽しいですね」のひと言が、何だかやけに響いた気がした。
楽しい。確かに楽しい。お嬢様との日々は、退屈を知らない。
伊澄さんの言葉が、脳裏をよぎった。
石を壊せばお嬢様との関係は崩れるが、アーたんを救える。
借金だって帳消しに、アーたんならしてくれる。
だけど代わりにお嬢様は…遺産を失う。すべてのお金を、なくしてしまう。
それはだめだ。このお金はお嬢様を守るもの。お金は、お嬢様自身を守る力そのもの。
失くしてはだめだ。壊すのもだめだ。渡すこともできない。
だったらアーたんを見捨てるのか?
今もたった一人で苦しんでいる、彼女を?
「来るな」と言った彼女の真意は、何だったのだろう…?
10年ぶりに再会してもなお、他人のフリをして遠ざけようとしていた彼女は…
僕を拒絶した彼女は、僕の知らない全然違う何者かになろうとしている…?
───違う。違う!
彼女は助けを求めてる!

声にはしなくても、僕に助けてって叫んでるんだ!!
やっぱりだめだ。見捨てるなんてできない。したくない。
僕は彼女を救いたい───!!
だけどお嬢様を犠牲にはできない───

どうすればいい…!
僕はいったい、どうすれば────!?


+++++++++++++++


うぉおおおおぉおおおおッ!!
前回言っていたように、さっそく一発目の絶叫タイム。きっと三週は続きます(笑)。

久々にみんな出てきて嬉しかったですね。ヒナギクさんとか西沢さんとか。
ヒナギクさんは…そうだね、そんな簡単には吹っ切れないやな…。というよりあきらめるな!!
「当然だけど、私は────」のセリフから察するに、きっとまだやってくれる。まだあきらめない(はず)。
そしてアーたん救出劇のときにはバリバリ協力してくれそうな、そんな予感。これはちょっと確信に近くなってきたかも。
生徒会長様は、まだやれる!!
きっともうひと奮起してくれることを、願うばかりだ!
そして西沢さんもいい味出してるぞ! 普通な名言。だけどとても大切なことだ。

ますますクライマックス…ほんとに目が離せない展開が続きますね。
この結末がどうなるのか…。これが終わった時には私も放心してんじゃなかろうか(笑)。
だが何はともあれ、願うことは一つです。
どうか彼女…アーたんに救いを。

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